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愛知大会現地便り④Letters from Staff

2019年夏は名古屋で!
映画 DAY OF THE WESTERN SUNRISE 邦題『西から昇った太陽』

山口良二(やまぐち・りょうじ 静岡県・藤枝東高等学校)

 今年度の全国大会in名古屋では,静岡は開閉会式,文化行事を主に担当することとなった。前回東海ブロックが主催した全国愛知半田大会に続けてのこととなる。
 半田大会では,文化行事として「The Mystery of the Violin」が三友社出版の教科書COSMOSに掲載されたことを記念して, 「陳昌鉉さんのトークとバイオリン演奏」を開催することができた。
 新英研を通して,陳さんや多くの方々と出会い,しかも全国大会で多くの参加者を迎え,講演,演奏会を行うことができたことは自分にとっては,感激の至りで,新英研の力なくしてはできないものだった。

 今回の全国大会では,文化行事として,今年65周年を迎える第五福竜丸・ビキニ水爆被災を描いた DAY OF THE WESTERN SUNRISE 邦題『西から昇った太陽』(75分)を上映できることとなった。
 これは,若いアメリカ人のKeith Reimink(キース・レイミンク)監督が4年越しに制作,昨年の秋,完成したものだ。「第五福竜丸の水爆実験被災の事実をネットで知り,自分の国がこのような怖しい行為を行ったことを知り,大変驚いた。自分も知らなかったし,周りのアメリカ人はほとんど知らない。核兵器が長期間に渡って及ぼす影響について皆に知らせたい」と,この映画を作ることを決断したという。
 2014年にKeith監督が来日,静岡新英研会員の仲介,バックアップの中,元乗組員の見崎進さん,池田正穂さん,半田大会でも被爆体験を語ってもらった大石又七さん他関係者を訪問,彼らヘのインタビューを中心に,アニメで描写したこのドキュメンタリー作品を創り上げた。
 映画の中では,当時の漁師の仕事やまぐろ延縄漁の様子なども詳しく描かれている。決して声高ではないが,乗組員たちが出会った悲劇が,ギターのシンプルな響きとともに静かに語られ,それがかえって,観る者のこころに深く残る。
 2017年,ヒバクシャの訴えが世界を動かし,国連で核禁止条約が採択され, ICANがノーベル平和賞を受賞した。しかし,被爆国の日本政府はいまだ署名を拒否し,世界にはまだ14,465発もの核兵器があるとされている。第五福竜丸・ビキニ水爆被災は終わったものではない。われわれを乗せた第五福竜丸は今なお,航行中なのである。

 英語を学ぶことを通して世界とつながり,平和な社会を実現することができたらと願う。この映画の日本上映に新英研のメンバーとして関われたことを大変嬉しく思う。そして,この夏,全国大会in名古屋で,この映画を通して,平和について皆さんと語り合うことができることを大変楽しみにしている。

 ぜひ,この夏,名古屋でお会いできることを!

取材の様子
(取材の様子)
『新英語教育』4月号より

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